住まいのコラム Column
周辺の土地より価格が安いという理由から、道路よりも低い土地を候補の一つに検討する方は少なくありません。
しかし、「盛り土に高額な追加費用がかかるのではないか」という点が、多くの方にとって悩みの種となっています。
本記事では、福岡都市圏及び北九州・山口下関エリアのハウスメーカー『鬼丸ハウス』が、盛り土の費用相場、コストを抑えるコツ、土地選びで後悔しないためのポイントを解説します。
造成費用への不安を解消し、納得のいくマイホームを実現するために、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
盛り土・擁壁の費用相場

道路より低い土地を選ぶ際、全体の予算を大きく左右するのが造成費用です。
ここでは、土地を平らにする「盛り土」と、高低差が大きい場合に必要となる「擁壁」の2つの工事について、費用相場を解説します。
※以下は一般的な目安であり、実際の費用は土地の状況で大きく変わります。
必ず個別の見積もりでご確認ください。
盛り土の費用相場
盛り土とは、低い土地に土を盛って地盤を高くし、平らな敷地を形成する工事です。
1m3あたりの費用の目安は約6,000円~15,000円で、この費用は主に「①土そのものの価格(土代)」と「②工事費」の合計で決まります。
① 土そのものの価格(土代)
主な土の種類と、1㎥あたりの価格の目安は以下のとおりです。
| 土の種類 | 価格(1m3あたり) | 特徴 |
| 山砂・川砂 | 約3,000円~8,000円 | ・品質が安定している ・住宅の造成で最も一般的に使われる |
| 再生土(残土) | 約1,000円~3,000円 | ・他の工事現場から出た土を再利用するため安価 ・品質にばらつきがある場合がある |
② 工事費
工事費には、土の運搬費や重機・人件費などが含まれます。
費用目安は1m3あたり約3,000円~7,000円で、現場の広さや道路状況(重機の搬入のしやすさ)などによって変動します。
【計算例】50坪の土地に高さ50cmの盛り土をする場合
ここで、より具体的に費用をイメージできるよう、シミュレーションを紹介します。
| 50坪(約165m²)の土地に高さ50cmの盛り土をする場合 |
| 1. 必要な土の量を計算 165m²(土地面積)× 0.5m(高さ)= 82.5m³(土の量) 2. 費用を計算 82.5m³(土の量)× 10,000円(1m³あたりの単価例)= 825,000円 |
ただし、これはあくまで一例であり、実際の費用は土地の形状や使用する土の種類、重機の搬入経路などによって変動します。
一つの目安として、土地選びの際の参考にしてください。
擁壁工事の費用相場
擁壁とは、崖の崩壊を防ぐためのコンクリートブロックなどで造られた壁を指します。
土地の高低差が大きい場合や、盛り土によって人工的に崖ができる場合に、「がけ条例」などの法令により設置が義務付けられており、その費用相場は以下のとおりです。
- RC(鉄筋コンクリート)擁壁: 1㎡あたり 約30,000円~100,000円
- 間知(けんち)ブロック擁壁: 1㎡あたり 約20,000円~50,000円
擁壁工事は安全性に直結するため専門的な技術が必要であり、盛り土工事と比較して費用が高額になる傾向にあります。
「この土地の安全性は大丈夫だろうか」など、ご不安な点がございましたら、鬼丸ハウスにお気軽にご相談ください。
盛り土などの造成費用を安く抑える4つのコツ

高額になりがちな造成費用は、多くの方が頭を悩ませる部分です。
ここでは、不要なコストを削減し、賢く費用を抑えるための具体的な方法を解説します。
造成と建築をセットで業者に依頼する
造成工事と住宅建築を別々の業者に依頼すると、それぞれに諸経費や管理費がかかり割高になることがあります。
土地探しから造成、建築まで一貫して対応できるハウスメーカーに依頼すれば、窓口が一本化でき、総額でのコスト管理がしやすくなります。
複数の業者から相見積もりを取る
造成工事の内容が固まったら、複数の業者から見積もりを取りましょう。
費用だけでなく、工事内容や実績を比較検討することで、信頼できる業者に適正価格で依頼できます。
自治体の補助金・助成金を活用する
危険ながけの改善や、それに伴う住宅の移転・改築に対して、補助金を出している自治体があります。
例えば、鬼丸ハウスの施工エリアである北九州市では、「がけ地近接等危険住宅移転事業」や「宅地防災工事等資金融資」といった制度が設けられています。
〈参考〉北九州市|宅地防災工事等資金融資
ただし、これらの制度の利用には条件があり、また、内容は年度によって変更される場合があります。
まずはお住まいの自治体のホームページをご確認いただくか、土地探しの段階からハウスメーカーにご相談ください。
総額で資金計画を立てる
土地の価格だけで判断せず、必ず「土地代+造成費+建築費」の総額で資金計画を立てましょう。
造成にいくらかかりそうか、購入前に専門家のアドバイスを受けることが、予算オーバーを防ぐ最大のコツです。
道路より低い土地のメリット・デメリット

「道路より低い土地」と聞くと、造成費用を心配されるかもしれませんが、実は価格の安さや設計の自由度といったメリットも存在します。
ここで、ご家族が満足できる家づくりのために、メリットとデメリットの両方を比較検討してみましょう。
| 道路より低い土地のメリット |
| ・購入費用を抑えやすい:周辺の土地相場より価格が割安な場合がある ・プライバシーを確保しやすい:道路を歩く人からの視線が届きにくい ・個性的な設計が可能になる:高低差を活かしてビルトインガレージを設けるなど、デザインの幅が広がる |
| 道路より低い土地のデメリット |
| ・追加の造成費用がかかる:盛り土や擁壁工事の費用が発生する ・浸水・湿気のリスク:大雨の際に水が流れ込みやすいため、適切な排水計画や対策が必須 ・日当たりや風通しに工夫が必要な場合がある |
すべての条件が揃った完璧な土地は少ないからこそ、専門家と相談しながらご家族にとっての優先順位を決めていくことが大切になります。
土地購入で後悔しないためのポイント

メリットとデメリットを理解した上で、「この土地を選んでも本当に大丈夫だろうか」と迷われる方へ。
納得のいく土地選びを実現するために、購入前にぜひ以下のポイントをチェックしてみてください。
ハザードマップで浸水リスクを確認する
自治体が公開しているハザードマップで、購入を検討している土地が浸水想定区域に入っていないか必ず確認しましょう。
〈関連ページ〉買わない方がいい土地の特徴14選|後悔を防ぐ見分け方も解説
地盤の強度と「地盤改良工事」の可能性を把握する
盛り土をした土地は、元の地盤より軟弱になることがあります。
その場合、建物を安全に支えるための「地盤改良工事」が別途必要になる可能性があります。
購入前に地盤調査の要否について専門家に相談しましょう。
〈関連ページ〉住宅の「地盤改良費用」|30・ 40・50坪の相場とトラブルを避けるチェックポイント
擁壁の状態を確認する(既存の擁壁がある場合)
すでに擁壁がある土地でも、ひび割れがあったり、現行の法律の基準を満たしていなかったりすると、造り直しの費用がかかる場合があります。
必ず専門家による現況調査を依頼しましょう。
総額(土地代+造成費+建築費)で判断する
繰り返しになりますが、最も重要なのは総額での資金計画です。
土地の価格だけで判断せず、造成にかかる費用を概算した上で購入を判断してください。
〈関連ページ〉注文住宅で予算オーバー|払えないと後悔しないためのポイントとコストダウンの方法を解説
盛り土などの造成工事Q&A

盛り土の工事期間はどれくらいかかりますか?
A. 土地の規模や盛り土の量によりますが、数週間から1ヶ月程度が目安です。
擁壁工事が加わる場合は、さらに期間が長くなります。
造成費用も住宅ローンに含められますか?
A. はい、多くの金融機関で土地代や建築費と合わせて住宅ローンに含めることが可能です。
ただし、融資の条件は金融機関によるため、事前に確認が必要です。
盛り土をすると土地の固定資産税は上がりますか?
A. はい、上がる可能性があります。
固定資産税は土地の現況によって評価されます。
盛り土によって土地が「宅地」として利用できる状態になり、価値が上がったと判断されると、評価額が上がり、結果として固定資産税も高くなることがあります。
すでに古い擁壁がある土地は大丈夫ですか?
A. いいえ、一概に安心はできません。
ひび割れなどの劣化があったり、現在の建築基準法に適合していなかったりする「不適格擁壁」の場合、安全のために造り直しが必要になることがあります。
購入前に必ず専門家による調査を依頼してください。
隣の土地との高低差がある場合はどうすればいいですか?
A. ご自身の敷地内に擁壁などを設置し、安全を確保することが基本です。
トラブルを避けるため、工事の前には、施工業者が主体となって隣地の所有者様へ工事内容のご説明とご挨拶に伺います。
その際に、境界線の確認も改めて行いますのでご安心ください。
まとめ
本記事では、盛り土および擁壁の費用相場、造成費用を抑えるコツ、土地選びで後悔しないためのポイントなどを解説しました。
土地選びの段階から専門家に相談し、リスクと可能性をしっかりと見極め、理想のマイホームづくりを実現させましょう。
鬼丸ハウスでは、お客様の土地探しから造成計画、資金計画、理想の家づくりまで、ワンストップでサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
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