住まいのコラム Column
「耐震等級3は震度7の地震に耐えられるのか」と疑問に思われる方がいらっしゃると思います。
耐震等級3は、耐震性能を示す指標の中で最も高い等級であり、震度7の地震にも耐えられる性能を有しています。
住宅を建てる際は、耐震等級と震度の関係について正しく理解することが重要です。
今回は、福岡都市圏及び北九州・山口下関エリアのハウスメーカー『鬼丸ハウス』が、耐震等級の違いや耐震等級3を取得する方法、メリット・デメリットなどについて分かりやすく解説します。
ご家族の安全な暮らしを実現するためのポイントを紹介しているので、ぜひ最後までごらんください。
福岡都市圏及び北九州・山口下関エリアで地震に強いマイホームを検討中の方は、鬼丸ハウスへお問い合わせください。
鬼丸ハウスでは耐震等級3を意識した間取りを提案しています。
Contents
耐震等級3は震度7の地震に複数回耐えられる|熊本地震の事例

耐震等級3は、住宅の耐震性能を示す指標の中で最も高い等級であり、震度7の地震に複数回耐えたデータがあります。
2016年に発生した熊本地震は、震度7を観測する大地震がわずか2日間で2回発生しました。
この地震は、住宅の耐震性能を検証するうえで重要な事例となっています。
耐震等級3の建物は、震度7の地震を2回受けても、大きな損傷が見られず、87.5%が「無被害」、12.5%が「軽微・小破」という結果でした。
耐震等級3で、倒壊や崩壊した建物は一つもありませんでした。
この結果から、耐震等級3は「震度7の地震に複数回耐えられる」と実証されています。
連続する大地震に耐えた実例は、これから住宅を建てる方にとって非常に心強いデータといえます。
〈参考〉国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会報告書について」
〈参考〉国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律」>住宅性能表示制度の概要
耐震等級の違い|震度7の地震でも安心な耐震等級は

ここでは、「耐震等級」と「震度」について確認し、耐震等級の違いを解説します。
耐震等級は「1〜3」の3段階で定められており、数字が大きくなるほど耐震性能が高くなります。
震度は「0〜7」の階級があり、震度7が最も強い揺れを示す階級です。
耐震等級3は震度7の地震に耐えられる性能があり、安心できる住宅と言えます。
〈参考〉国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律」>住宅性能表示制度の概要
〈参考〉気象庁「震度について」
耐震等級1
耐震等級1は、建築基準法で定められた最低限の耐震性能です。
耐震等級は「倒壊防止」と「損傷防止」の項目に分けられ、耐震等級1の性能は以下のとおり定義されています。
- 数百年に一回は起こりうる震度6強〜震度7程度の地震で「倒壊や崩壊はしない」
- 数十年に一回は起こりうる震度5強程度の地震で「大規模な損傷が生じない」
耐震等級1では、震度7の地震が起きた際、倒壊や崩壊はしないまでも、大規模な損傷が生じる可能性があります。
震度7の地震が複数回続いた場合は、住み続けられないケースも想定されます。
耐震等級2
耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震性能を持ちます。
学校や病院など、災害時に避難施設となる建物で採用されることが多い等級です。
震度7の地震に対し、耐震等級1よりは被害を抑えられますが、建物の修繕を要する可能性は残ります。
耐震等級2になると、倒壊や崩壊の可能性は低くなり、安心して生活することができます。
耐震等級3
耐震等級3は、最も高い耐震性能を誇り、耐震等級1の1.5倍の強さを持ちます。
消防署や警察署など、防災拠点となる建物と同等の耐震性能です。
震度7の地震を2回計測した熊本地震で、「倒壊した建物がなかった」という例があるように、倒壊や崩壊の可能性はとても低いと言えます。
震度7の地震が複数回続いた場合でも、無被害や軽微な損傷でとどまる可能性が多くあります。
耐震等級3を取得する方法

耐震等級3を取得する方法は、以下のとおりです。
- 耐震等級3に対応可能なハウスメーカーを選ぶ
- ハウスメーカーの担当者に「耐震等級3の取得を希望する」旨を伝える
- ハウスメーカーが基準を満たすよう構造計算や建材の選定を行い施工する
- ハウスメーカーが住宅性能評価機関に申請する
- 住宅性能評価機関が住宅性能を評価し、基準を満たしていれば、耐震等級3を取得できる
ご自身で行うこととすれば、「ハウスメーカー選び」と「耐震等級3の取得を希望する」旨を担当者に伝えることです。
耐震等級3に対応可能か確かめる方法は、ハウスメーカーに問い合わせをするか、ホームページを確認する方法が有効です。
福岡都市圏及び北九州・山口下関エリアで耐震等級3に対応可能なハウスメーカーをお探しの方は、鬼丸ハウスへお問い合わせください。
鬼丸ハウスは、自由度と丈夫さを兼備した耐震等級3対応の住まいを提案しています。
耐震等級3を取得するメリット

耐震等級3を取得すると、安心感だけでなく、経済的な面や住宅の資産性においても大きなメリットがあります。
耐震等級3を取得するメリットは、以下のとおりです。
- 地震に強い
- 地震保険料が安くなる
- 住宅ローンの金利優遇がある
- 家の資産価値が高くなる
- 安心感を得ることができる
地震に強い
当然のメリットと言えますが、耐震等級3を取得した住宅は地震に強いです。
構造計算や地震に強い建材を選定し、耐震性能を高めているからです。
地震からご家族の安全を守るうえで非常に有効と言えます。
地震保険料が安くなる
耐震等級3の認定を受けた住宅は、地震保険の割引制度を利用できます。
耐震等級3の割引率は50%で、長期的に見れば大きな節約につながります。
住宅ローンの金利優遇がある
住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」では、耐震等級3の住宅を対象に住宅ローンの金利優遇を行っています。
金利優遇は、返済総額に大きな差が出る可能性があります。
家の資産価値が高くなる
耐震性能の高さは、将来住宅を売却する際の大きなアピールポイントになります。
中古市場においても「耐震等級3」という証明がある住宅は需要が高く、資産価値の維持や向上につながります。
安心感を得ることができる
心理的な安心感を得ることができる点も、耐震等級3を取得するメリットと言えます。
「もし大地震が起きたら」という不安を軽減でき、心のゆとりを持って暮らすことができます。
耐震等級3を取得するデメリット

耐震等級3には多くのメリットがありますが、取得を検討する際に知っておくべきデメリットもあります。
耐震等級3を取得するデメリットは、以下のとおりです。
- 間取りが制限されることがある
- 工期が長くなる
- 費用が高くなる
間取りが制限されることがある
耐震等級3を満たすためには、耐力壁や柱の配置にバランスを持たせる必要があります。
条件によっては、広いリビングや大きな吹き抜けなどの間取りが制限される可能性があります。
希望の間取りを実現するには、設計段階で構造計算を行い、強度を確保しながらプランを調整する工夫が必要です。
工期が長くなる
耐震等級3を取得するには、設計段階での構造計算や住宅性能評価機関による性能評価が必要です。
そのため、他の住宅と比べ工期が長くなる傾向があります。
着工から完成までのスケジュールを組む際には、余裕を持って計画することが大切です。
費用が高くなる
構造材の強化や金物の増設、構造計算の実施など、耐震等級3を取得するためには追加費用がかかります。
建築費用は一般的に数十万円から百万円以上高くなる場合があります。
建築費用の他に評価機関への申請費用などもかかるため、注意が必要です。
こちらの記事で、費用が増加し予算オーバーになった際の対処法についてを確認できます。
〈関連ページ〉注文住宅の減額ポイント|300〜1000万円の予算オーバーで削れるところ・削ってはいけないところ
耐震等級3を取得する際の費用

耐震等級3を取得するには、建築費用や申請費用といったコストが発生します。
耐震等級3を取得することで得られるメリットと追加になる費用面を比較検討することが大切です。
建築費
耐震等級3の基準を満たすためには、構造材の強化、耐力壁の追加、接合部の補強、構造計算の実施が必要になります。
そのため、数十万円から百万円以上の追加費用がかかるケースが一般的です。
住宅の規模や構造によって差があるため、耐震等級3の取得を検討している方は、施工前に担当者に確認しましょう。
評価機関への申請費
耐震等級3を取得するためには、住宅性能評価機関に申請して認定を受ける必要があります。
申請費用は建物の規模や構造によって異なりますが、数十万円かかるのが一般的です。
耐震等級を高める工夫|震度7の地震でも安心な家づくりのポイント

耐震等級を高めるためには、設計や施工の段階で工夫が必要になります。
設計や施工は業者が行いますが、知識を持っておくことは大切です。
震度7の地震にも安心して備えられる家づくりのポイントは、以下のとおりです。
- 屋根を軽くする
- 耐力壁を増やす
- 柱と梁の接合部を強化する
- 基礎を強化する
- 上下階をバランスよく配置する
屋根を軽くする
瓦屋根など重量のある屋根材は建物に大きな負担を与えます。
軽量素材の屋根を選ぶことで、地震時の揺れを軽減できます。
耐力壁を増やす
建物を支える耐力壁をバランス良く配置することで、横揺れに強い構造になります。
壁量を増やすだけでなく、配置の偏りをなくすことが重要です。
柱と梁の接合部を強化する
建物の骨組みである柱や梁の接合部は、地震の際に大きな力が集中する部分です。
金物や補強材を使い、強度を高めることで倒壊のリスクを低減できます。
基礎を強化する
基礎を適切に設計・施工することで、建物全体を安定させることができます。
地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良を施すことも有効です。
上下階をバランスよく配置する
1階と2階の間取りのバランスが崩れると、地震時に建物が損傷を受けやすくなります。
上下階の壁や柱の位置をそろえることで、耐震性を高められます。
今後震度7の地震はくるのか

日本は世界有数の地震多発国であり、今後震度7相当の大地震が発生する可能性は十分にあります。
気象庁は、震度7となる可能性がある南海トラフ地震について「発生の切迫性が高い状態で、いつ起きてもおかしくない」としています。
住宅を建てる際は、お住いの地域が地震によってどの程度被害を受けるか、事前に確認しておきましょう。
こちらの記事で、南海トラフ巨大地震による福岡県の被害想定などを確認できます。
福岡県でマイホームを検討中の方は、参考にしてください。
〈関連ページ〉南海トラフ巨大地震の被害想定見直しで「福岡県北九州市に津波5m」|津波ハザードマップの見方など解説
耐震等級3と震度7の地震に関するQ&A

最後に耐震等級3や震度7の地震に関して、鬼丸ハウスがよくいただく質問・回答を紹介します。
Q.地震で住宅が倒壊した場合、住宅ローンはどうなるのか
A.建物が倒壊しても、住宅ローンの返済義務は免除されません。
住宅が失われても借入金は残るため、家を失いながらローン返済を続ける状況になる可能性があります。
ただし、地震保険に加入している場合は一定の補償を受けることができます。
万が一に備え、地震保険を検討することも大切です。
こちらの記事で、地震と住宅ローンの関係について確認できます。
〈関連ページ〉南海トラフ地震で家やローンはどうなる?「怖くて家が買えない」人のための【対策リスト】
Q.耐震・制震・免震の違いは何か
A.耐震・制震・免震には以下の違いがあります。
- 耐震:建物自体を強くし、地震の揺れに耐える構造
- 制震:建物内部にダンパー(揺れを吸収する装置)を設置し、揺れを和らげる
- 免震:建物と基礎の間に免震装置を設置し、揺れを伝わりにくくする
耐震等級3は「耐震」の性能を示すものであり、制震や免震を併用することでさらに安全性を高めることができます。
Q.旧耐震基準と新耐震基準の違いは何か
A.1981年6月に建築基準法が改正され、旧耐震基準から新耐震基準に移行しています。
- 旧耐震基準(1981年5月以前の建築基準):震度5強程度の地震で倒壊しないことを想定した基準
- 新耐震基準(1981年6月以降):震度6強〜7程度の地震で倒壊・崩壊しないことを想定した基準
旧耐震基準で建てられた住宅は、耐震診断や耐震補強工事を行うことで安全性を高める必要があります。
Q.耐震等級3と耐震等級3相当の違いは何か
A.住宅性能評価機関が認定しているか否かの違いがあります。
- 耐震等級3:国の基準に基づき、住宅性能評価機関が正式に認定したもので、地震保険の割引や住宅ローン優遇などの対象になる
- 耐震等級3相当:設計や施工で耐震等級3と同等の性能を目指した仕様だが、正式な認定を受けておらず、保険やローン優遇の対象外となる
耐震等級3を希望する場合は、「相当」ではなく正式な認定を受けることが安心につながります。
福岡都市圏及び北九州・山口下関エリアで地震に強いマイホームを検討中の方は、鬼丸ハウスへお問い合わせください。
鬼丸ハウスは、耐震等級3に対応しており、ご家族が安心して暮らせる住まいの提案をしています。
まとめ
耐震等級3と震度7の地震の関係、耐震等級の違いや耐震等級3を取得する方法、メリット・デメリットなどについて紹介してきました。
今後震度7相当の地震が発生する可能性が高い日本において、耐震等級3の住宅を選ぶことは、意義がある選択肢と言えます。
今回紹介した情報を参考に、ご家族が安心して暮らせるマイホームを実現していただけると幸いです。
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