住まいのコラム Column

国が南海トラフ巨大地震に対する防災基本計画を見直し、2025年3月末に、新しい被害想定を公表しました。
福岡県北九州市で、「現在お住まいの地域・これからお住まいになる地域の被害想定を知りたい」とご希望の方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、福岡都市圏及び北九州・山口下関エリアで多くのご家族の家づくりをサポートしてきたハウスメーカー『鬼丸ハウス』が、南海トラフ巨大地震発生時にご家族とマイホームを守る方法を、わかりやすく解説します。
ご家族の安全な暮らしを実現するために、ぜひ最後までごらんください。
※この記事で紹介する被害想定は「最大被害」で、実際の被害は地震発生時の状況に左右されます。
また、この記事で紹介する数値などは、ある程度の幅をもってご確認いただく必要があり、今後想定が変更となる可能性もあることを、あらかじめご了承ください。
福岡都市圏及び北九州・山口下関エリアで南海トラフ巨大地震の影響を受けづらい土地選び・家づくりをご希望の方は、鬼丸ハウスへお問い合わせください。
Contents
【2025年最新】南海トラフ巨大地震の被害想定見直しで「福岡県北九州市に津波最大5m」

はじめに、南海トラフ巨大地震の概要を簡単に確認したうえで、福岡県北九州市の新しい被害想定を具体的に把握しましょう。
南海トラフ巨大地震とは|最新の被害想定は2025年3月末に公表
南海トラフ巨大地震の概要は、以下のとおりです。
項目 | 概要 |
---|---|
震源域 | 駿河湾から日向灘沖 |
被害を受ける地域 | 静岡県から宮崎県 |
発生周期 | おおむね100〜150年間隔 ※前回は1944年・1946年 |
規模(最大) | ・震度7 ・広域に10mを超える大津波が襲来 |
国は、被害を大きく減少させることを目的に、複数のケースを設定しての最大規模の被害想定を公表しています。
福岡県北九州市の津波被害(門司区に津波5mなど)、福岡県全体の被害想定を一覧で紹介

次に、南海トラフ巨大地震発生時の福岡県北九州市・福岡県全体の被害想定を紹介します。
被害想定の見直しによって、福岡県北九州市の「津波の浸水高」が引き上げられました。
地名 | 津波浸水高 | 震度 |
---|---|---|
門司区 | 最大5m | 5弱〜5強 |
小倉北区 | 最大4m | |
小倉南区 |
〈参考〉北九州市ホームページ『北九州市防災ガイドブック・ハザードマップ』>「「Hazardon(ハザードン)Web版(外部リンク)」>「ハザードマップ」をクリック>「津波浸水想定」をONにして確認
次に、南海トラフ巨大地震による福岡県全体の被害想定も紹介していきます。
【福岡県全体の住宅の被害想定】
福岡県の住宅が全壊・焼失する被害が最大になるのは、「南海トラフ巨大地震が冬の夕方に風速8mの環境で発生する場合」です。
全壊・焼失の原因 | 被害想定 |
---|---|
津波 | 約100棟 |
液状化 | 約300棟 |
火災 | 約10棟 |
※堤防・水門が正常に機能したことを想定した数値です。
〈参考〉内閣府防災情報のページ『南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(令和5年〜)』>最大クラス地震の被害想定について(定量的な被害量(都道府県別)58ページ
また、住宅半壊の被害想定も公表されています。
半壊の原因 | 被害想定 |
---|---|
津波 | 約2,900棟 |
液状化 | 約1,500棟 |
揺れ | 約10棟 |
※平均風速時に、堤防・水門が正常に機能した状態での想定数値です。
〈参考〉内閣府防災情報のページ『南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(令和5年〜)』>最大クラス地震の被害想定について(定量的な被害量(都道府県別)107ページ
【福岡県全体の死者数・負傷者数の被害想定】
死者数・負傷者数の被害想定も確認しましょう。
福岡県の死者数が最大になるのは、「南海トラフ巨大地震が風速8mの環境で発生し、早期避難率が低い場合」です。
死傷者発生の原因 | 被害想定 |
---|---|
津波 | 死者数:約200人 負傷者数:約60人 |
建物倒壊 | 負傷者数:約100人 |
※堤防・水門が正常に機能したことを想定した数値です。
〈参考〉内閣府防災情報のページ『南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(令和5年〜)』>最大クラス地震の被害想定について(定量的な被害量(都道府県別)204ページ、302ページ
また、以下のような被害想定もあり、各家庭が南海トラフ巨大地震への備えをする必要があることを実感しますね。
- 津波による要救助者数:約500人
- 上水道の断水人口:約22,000人
- 下水道使用に支障が出る人口:約3,600人
- 停電件数:約1,000,000軒 など
〈参考〉内閣府防災情報のページ『最大クラス地震の被害想定について(定量的な被害量(都道府県別)308ページ以降
次に、「ハザードマップ」でご自身が現在お住まいの地域・これからお住まいになる地域に絞って具体的な被害想定を確認する方法も紹介するので、ぜひご確認ください。
津波ハザードマップの見方|福岡県北九州市の津波被害を確認できるハザードマップは複数ある

ハザードマップとは、自然災害発生時の被害軽減・防災対策を目的に作成された地図のことです。
複数のハザードマップがあるため、ハザードマップの種類や見方を確認しましょう。
ハザードマップの種類
以下のハザードマップで、福岡県北九州市の「自然災害の影響」「避難経路を検討する際に役立つ情報」などを活用できます。
- 福岡県北九州市のハザードマップ『北九州市防災ガイドブック』
- 福岡県北九州市各区のハザードマップ
- 全国版のハザードマップ『重ねるハザードマップ』『わがまちハザードマップ』(国土交通省が運営)
- 全国版のハザードマップ『Hazardon(ハザードン)』(民間企業が運営)
- 福岡県北九州市・直方市、行橋市、鞍手町、香春町、苅田町のハザードマップ『G-Motty防災情報マップ』(北九州市・民間法人が共同運営)
〈参考〉北九州市ホームページ『北九州市防災ガイドブック・ハザードマップ』
各ハザードマップはインターネット上で公開されていますが、それぞれの情報が連動していない場合・最新情報ではない場合があります。
また、使いやすいハザードマップは個人ごとに違うため、色々なハザードマップを触ってみることをおすすめします。
福岡県北九州市の津波ハザードマップの見方

福岡県北九州市『北九州市防災ガイドブック』を作成し、津波浸水域を知らせる地図「気づきマップ」を掲載しています。
〈参考〉北九州市ホームページ『北九州市防災ガイドブック・ハザードマップ』>気づきマップ(P3~P4)
また、『北九州市防災ガイドブック』内では、津波に関する基礎知識も確認できます。
〈参考〉北九州市ホームページ『北九州市防災ガイドブック・ハザードマップ』>津波(P23~P26)
ただし、国が2025年3月末に公表した情報に更新されていない点にご注意ください。
国土交通省の『重ねるハザードマップ』の見方
『重ねるハザードマップ』では、住所を指定して以下の自然災害の被害想定・道路防災情報などを確認できます。
- 洪水・内水
- 土砂災害
- 高潮
- 津波
※重ねるハザードマップも、最新情報に更新されていない場合があります。
〈参考〉ハザードマップポータルサイト
また、「地形分類」というメニューから、土地の成り立ちも確認できます。
現代の土地は、本来の地形がわからない状態に造成されているのが一般的ですよね。
現在お住まいの地域・これからお住まいになる地域の土地の成り立ちを知ると、土地を見るだけでイメージしづらい居住環境を予測できます。
ちなみに、自治体作成のハザードマップのほうが、先に情報更新されます。
そのため、「自治体作成のハザードマップで最新情報を確認し、重ねるハザードマップを補助情報として見てみる」など、両者の特徴を活用していただけると幸いです。
福岡都市圏及び北九州・山口下関エリアで、地震などの自然災害の影響を受けづらい土地選び・家づくりをご希望の方は、鬼丸ハウスへお問い合わせください。
土地選びの段階から、ご家族が長く安心して暮らせる家づくりをサポートいたします。
南海トラフ巨大地震の被害を最小限にする5つの防災対策

次に、南海トラフ巨大地震の被害を最小限にし、ご家族の命を守るための防災対策も具体的に確認しましょう。
- 住宅の耐震強度を確保
- 災害発生時の行動をご家族で共有
- 津波以外の危険・二次災害の可能性を確認
- 避難に必要な防災グッズ・食料などを備える
- 家具等の転倒・落下防止対策
住宅の耐震強度を確保
住宅の耐震強度は、以下2つの視点から確保する必要があります。
- 建物自体の耐震強度を確保
- 地盤の強化
こちらの記事で、地盤強化の工事費用を確認できます。
〈関連ページ〉住宅の「地盤改良費用」|30・ 40・50坪の相場とトラブルを避けるチェックポイント
マイホームを新築する場合には、ハウスメーカーが提供している標準仕様の「耐震等級」を確認し、耐震強度の目安としてください。
【耐震等級とは】
耐震等級には、1〜3のグレードがあります。
最高グレードは耐震等級3で、「数百年に一度の大地震×1.5倍の力」に対して、倒壊・崩壊しない程度の耐震強度です。
現在お住まいの住宅の耐震強度は、耐震診断を実施することで確認できます。
耐震診断の結果を確認し、必要に応じて耐震強度を高める工事を検討しましょう。
耐震強度に関する法令が強化され始めたのは1981年以降なので、特に1981年以前に建築された住宅にお住まいの場合は、ご自宅の耐震強度をぜひご確認ください。
こちらの記事で、福岡県で住宅の新築・リフォーム時に活用できる補助金を確認できます。
〈関連ページ〉福岡県の住宅に活用できる補助金一覧|新築・リフォームに使えるお得な制度と申請方法
災害発生時の行動をご家族で共有

将来発生する南海トラフ巨大地震の詳しい発生日時はわからないため、地震発生時にご家族1人1人がご自身の命を守る行動ができるように、災害発生時の行動を話し合っておくことが大切です。
【例】
- ご自宅で揺れがおさまるまで避難できる安全な場所を確認
- 外出中に揺れがおさまるまで避難するべき場所を確認(窓ガラスやブロック塀の近く・高所から物が落ちてくる場所を避けるなど)
- 避難経路の確認(津波の浸水域を避ける)
- ご家族それぞれの避難経路上の避難所を確認
- ご家族が最終的に集合する避難場所を確認
- オフラインで連絡を取り合う方法を共有(災害用伝言ダイヤルなど) など
津波以外の危険、二次災害の可能性を確認
南海トラフ巨大地震の影響による二次災害についても、改めて認識をして防災対策を強化しましょう。
【二次災害の例】
- 津波が河川を遡上して氾濫
- 火災
- 周辺建物の倒壊・崩壊
- 土砂災害 など
二次災害も詳細な予測が難しいため、どのような状況でもご家族1人1人が適切に避難する準備をしておくことが大切です。
避難に必要な防災グッズ・食料などを備える

避難に必要な防災グッズ・食料などの目安は、以下のとおりです。
【防災グッズ】
- 懐中電灯
- 電池
- 携帯用充電器
- 衣類
- 救急用品
- 卓上コンロ、ガスボンベ
- ペット用品 など
【食料】
最低3日分を備えておきます。
- 飲料水
- 米
- レトルト食品
- ミルク
- アメなどの菓子類
- ペットの食料(5日分)
〈参考〉北九州市ホームページ『北九州市防災ガイドブック・ハザードマップ』>防災情報(P37~P42)
「災害復旧活動が開始されるまでの時間」「物資が届くまでの時間」は、地域ごとに違います。
お住まいの地域・避難する地域の事情を予測して、食料の備蓄量などを検討してください。
家具等の転倒・落下防止対策
大地震の発生時には、「背の高い家具の転倒」「棚などからの物の落下や飛び出し」などによって、死傷者が発生するケースもあります。
以下の対策で、室内の安全性を確保しましょう。
- 背の高い家具は壁や天井に固定
- 寝室には背の高い家具を置かない
- 高い位置に重くて壊れやすい物を置かない
- 食器などの下に滑り止めシートを置く など
日本国内では南海トラフ巨大地震のような大地震発生が多数予測されています。
小さな防災対策の積み重ね・定期的な防災対策の見直しで、ご家族の命を守りましょう。
福岡県北九州市の南海トラフ巨大地震Q&A

最後に、福岡県北九州市でマイホームを検討中の方から、鬼丸ハウスがよく頂く「南海トラフ巨大地震に関する質問・回答」を紹介します。
Q.福岡県北九州市が津波被害を受けた歴史はある?
A.福岡県北九州市が、津波被害を受けた歴史はありません。
Q.南海トラフ巨大地震の発生から生活インフラが復旧するまでの期間を知りたい
A.南海トラフ巨大地震発生から生活インフラが本格的に復旧するまでの期間は、1〜2ヶ月程度が目安です。
〈参考〉内閣府防災情報のページ『南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(令和5年〜)』>最大クラス地震の被害想定について最大クラス地震における被害様相の横断的整理
ただし被害が大きい「復旧困難地域」は、復旧までの期間が数年に及ぶケースもあります。
Q.福岡県北九州市が実施している南海トラフ巨大地震対策を知りたい

A.福岡県北九州市は計画的な河川改修・防波堤整備を実施して津波対策をしてきましたが、限界があることを認識しています。
現在は「命だけは守り切る」という方針のもと、ハザードマップに「科学的に考えられる最悪の条件がすべて重なった時の浸水想定区域を掲載する」などの対策を継続中です。
Q.福岡県北九州市で津波被害を受けない地域を知りたい
A.高台・海や河川から遠い地域は、基本的には津波の影響を受けません。
ただし津波の影響を受けにくい地域でも、地震の揺れによる二次災害や液状化現象などのリスクがあるため、総合的な防災対策が必要です。
福岡都市圏及び北九州・山口下関エリアで、地震などの自然災害の影響を受けづらい土地選び・家づくりをご希望の方は、鬼丸ハウスへお問い合わせください。
土地選びの段階から、ご家族が長く安心して暮らせる家づくりをサポートいたします。
まとめ
南海トラフ巨大地震の被害想定ついて、最新情報や具体的な防災対策などを紹介してきました。
南海トラフ巨大地震のような自然災害は、いつ発生するかわかりません。
そのため、今回紹介した情報を参考にしていただき、ご家族一丸となって防災意識を高め、日常的に防災対策を実施していただけると幸いです。
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