住まいのコラム Column
オール電化住宅を検討する際、「太陽光発電もセットでつけるべきか」と迷われる方は多いのではないでしょうか。
実はライフスタイルによっては、「太陽光発電なし」がご家庭にとってベストな選択になることも少なくありません。
本記事では、福岡都市圏及び北九州・山口下関エリアのハウスメーカー『鬼丸ハウス』が、オール電化住宅に太陽光発電を設置しない場合のメリット・デメリットや電気代について解説します。
ご家庭に最適な選択を見つけるために、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
オール電化住宅で「太陽光発電なし」のメリット

まずは、太陽光発電を設置しない場合に得られる、3つのメリットを見ていきましょう。
初期費用を大幅に抑えられる
最大のメリットは、初期費用を数百万円単位で抑えられる点です。
経済産業省のデータによると、住宅用太陽光発電の設置には130万円程度の費用がかかり、蓄電池も同時に設置する場合は数百万円に達することもあります。
この大きな初期費用がかからないことは、家づくりの資金計画において非常に大きな魅力です。
〈参考〉経済産業省|調達価格等算定委員会「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」
メンテナンスの心配がない
発電した電気をご家庭で使えるように変換するパワーコンディショナーは、約10年~15年で寿命を迎え、交換には数十万円の費用がかかります。
太陽光発電を設置しなければ、こうした将来のメンテナンス費用や、定期的な点検の手間を考慮する必要がありません。
長期的な視点で、シンプルで管理のしやすい家を建てたい方にとって、これは大きな安心材料となります。
屋根のデザインがスッキリする
太陽光パネルを設置しないことで、屋根の形状や素材の美しさを最大限に活かした、スッキリとしたシルエットの住まいを実現できます。
特に、屋根の見た目にこだわりたい、複雑な形状の屋根にしたい、といった方には、太陽光発電をつけない選択がデザインの自由度を高めてくれます。
オール電化住宅で「太陽光発電なし」のデメリット

もちろん、太陽光発電を設置しない選択にも注意すべき点があります。
メリットとデメリットの両方を理解した上で、ご家庭に合った選択をしましょう。
日中の電気代が割高になる可能性
オール電化の料金プランは、深夜電力が安い代わりに、日中の料金は割高に設定されています。
そのため、太陽光発電で電気を自給できない場合、特に以下のようなご家庭は電気代が想定より高くなる可能性があります。
- 在宅ワーク中心で、日中もパソコンやエアコンを使用する方
- 日中にご家族(専業主婦・主夫の方など)が在宅していることが多いご家庭
- 休日は家でゆっくり過ごす時間が長いご家庭
補助金・税控除の対象になりにくい
家づくりで活用したい補助金ですが、太陽光発電の設置が条件になるもの(例:一部のZEH補助金)もあり、注意が必要です。
しかし、太陽光発電がなくても、建物の省エネ性能を高めることで対象となる補助金(例:子育てグリーン住宅支援事業)も多くあります。
鬼丸ハウスでは、住まいの性能を大切にしながら、お客様に最適な補助金活用法をご提案しますのでご安心ください。
〈関連ページ〉福岡県の住宅に活用できる補助金一覧|新築・リフォームに使えるお得な制度と申請方法
〈参考〉
戸建てZEH|ZEH補助金
子育てグリーン住宅支援事業
売電収入は得られない
太陽光発電を設置すれば、発電して余った電気を電力会社に売ることで「売電収入」を得られます。
太陽光発電を設置しない場合、この収入は得られません。
災害による停電時の備えが別途必要
地震や台風などで停電が発生した際、太陽光発電があれば日中は発電した電気を使用できるため、非常用電源として機能します。
太陽光発電がない場合は、こうした非常時の備えとして、ポータブル電源や蓄電池などを別途準備しておく必要があります。
〈関連ページ〉南海トラフ巨大地震で家やローンはどうなる?「怖くて家が買えない」人のための【対策リスト】
鬼丸ハウスでは、ご家族のライフスタイルやご希望をじっくりお伺いし、太陽光発電のあり・なしを含めて、ご家族にとって最適な住まいづくりをサポートします。
ぜひお気軽にご相談ください。
太陽光発電なしの電気代|料金比較と賢い節約術

「デメリットを読むと、やっぱり電気代が心配」と感じた方も多いのではないでしょうか。
ここからは、多くの方が気になる電気代について、具体的なシミュレーションと、太陽光発電なしでも光熱費を抑える節約術を解説します。
【料金比較】太陽光発電「あり・なし」の電気代シミュレーション
太陽光発電の有無で月々の電気代がどれくらい変わるのか、具体的なモデルケースでシミュレーションしてみましょう。
【シミュレーションの前提条件】
- ご家族構成:4人家族
- 住宅:鬼丸ハウスの新築一戸建て(高気密・高断熱仕様)
- 電力会社:全国平均的なオール電化向け料金プラン
- 月間電気使用量:500kWh
- 太陽光発電:設置容量 5kW(月間発電量 約510kWh(福岡市))
- 単価設定:電気料金(30円/kWh)、売電単価(15円/kWh)
【計算結果】
| 太陽光発電なし | 太陽光発電あり | |
| 電力会社への支払額 | 約 15,000円 | 約 10,400円 |
| 売電による収入 | 0円 | 約 5,400円 |
| 実質的な電気代 | 約 15,000円 | 約 5,000円 |
| 月々の差額 | – | 約 10,000円 お得 |
※あくまで一般的なモデルケースでの試算であり、実際の料金を保証するものではありません。
〈参考〉
国土交通省|建築物省エネ法のページ>お役立ち情報>住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム
環境省|令和3年度再エネ導入ポテンシャルに係る情報活用及び提供方策検討等調査委託業務報告書
経済産業省 資源エネルギー庁|電気料金の改定について(2023年6月実施)
経済産業省 資源エネルギー庁|買取価格・期間等(2025年度以降)FIT・FIP制度
経済産業省|第100回 調達価格等算定委員会>資料1 太陽光発電について
月々約10,000円の節約は大きいですが、仮に初期費用1,300,000円の場合、回収するには約11年かかります。
回収が終わる頃にはメンテナンスの時期も迎えるため、単純に「11年後からすべてお得になる」とは言えません。
目先の差額ではなく、初期費用と将来のメンテナンス費用を含めたトータルコストで判断することが大切です。
太陽光発電なしでも電気代を抑える3つの方法

太陽光発電がなくても、以下のような工夫次第で電気代を賢く抑えることは十分に可能です。
- 深夜電力のフル活用:安い深夜電力の時間帯に、食洗機や洗濯乾燥機などをタイマー機能で稼働させる。
- エコキュートの設定最適化:季節や長期不在に合わせてお湯の沸き上げ設定を見直し、給湯の無駄なエネルギー消費をなくす。
- 家の性能でエネルギーロスを防ぐ:高気密・高断熱な家で冷暖房効率を高め、そもそも電気をあまり使わない暮らしを実現する。
鬼丸ハウスでは、住宅の基本性能、特に断熱性と気密性を重視した設計を行っています。
高い断熱・気密性能を持つ住宅は、外気の影響を受けにくく、冷暖房のエネルギー消費を効率的に抑えることが可能です。
太陽光という「創エネ」設備だけでなく、家の性能を高めてエネルギーロスをなくす「省エネ」の発想が、快適で経済的な暮らしを実現する鍵となります。
今「太陽光発電はいらない」と考える人が増えている理由

近年、様々な理由から、あえて太陽光発電を設置しないという選択をされるご家庭も増えています。
その背景にある価値観やライフスタイルの変化について見ていきましょう。
- 売電価格の下落:FIT(固定価格買取制度)の売電価格が下がり、「売電で利益を得て、設置費用を回収する」という投資としての魅力が薄れている。
- ライフスタイルの変化:共働き世帯の増加により、発電量のピークである日中に在宅しているご家庭が減り、自家消費による恩恵を受けにくくなっている。
- 価値観の多様化:太陽光発電にかかる初期費用を、断熱性能の向上やこだわりの内装・設備など、暮らしの質を直接高める部分に使いたいと考える人が増えている。
太陽光発電「つける・つけない」判断チェックリスト

「メリット・デメリットは分かったけれど、結局我が家にはどちらが合うのか」とお悩みの方へ向けて、簡単なチェックリストをご用意しました。
ご自身の暮らしや価値観に近い項目がいくつあるか、確認してみましょう。
| 太陽光発電「つける・つけない」判断チェックリスト |
| ・初期費用をかけてでも、月々の光熱費は安くしたい ・将来的に電気料金が値上がりするリスクに備えたい ・日中、ご家族が家で過ごす時間が多い ・停電など、万が一の災害時に備えておきたい ・環境問題への貢献に高い関心がある ・将来、電気自動車(EV)の購入を検討している ・ZEH補助金などを積極的に活用したい |
Yesが多かった方は、光熱費の削減や災害時の安心など、太陽光発電のメリットを十分に活かせる可能性が高いです。
Noが多かった方は、「太陽光発電なし」がご自身のライフスタイルに合っていると言えます。
その分の費用を住宅性能の向上やこだわりの設備に充てることで、より満足度の高い家づくりが期待できます。
チェックリストの結果で迷ったりご家族で意見が分かれたりした際には、ハウスメーカーなどの専門家に相談し、ご家庭の状況に合わせた光熱費シミュレーションを依頼してみてはいかがでしょうか。
太陽光発電とオール電化のQ&A

太陽光発電は、後からでも設置できる?
A. はい、可能です。
新築時に将来の設置を想定した配線準備をしておくと、リフォーム工事がよりスムーズに進みます。
まずは太陽光なしで暮らし始め、ライフスタイルの変化に合わせて検討するのも賢い選択です。
太陽光発電なしの場合、停電対策はどうすれば良い?
A. ポータブル電源や家庭用蓄電池を備えるのがおすすめです。
特に最近はアウトドア用の大容量ポータブル電源も人気があり、比較的安価に導入できます。
最低限の照明やスマートフォンの充電を確保できる備えをしておくと安心です。
太陽光発電がなくても、オール電化機器のメンテナンスは必要?
A. はい、給湯器である「エコキュート」は定期的なメンテナンスが推奨されています。
一般的に10年~15年が交換時期の目安とされています。
ただし、太陽光発電システム全体のメンテナンスに比べると、手間やコストは限定的です。
オール電化とガス併用で迷っていますが、オール電化のメリットは?
A. オール電化の大きなメリットは、火を使わないことによる「安全性」の高さと、キッチンの「掃除のしやすさ」です。
フラットなIHクッキングヒーターは、小さなお子さまやご高齢の方がいるご家庭でも安心な上、油汚れなどもサッと拭くだけで簡単にお手入れできます。
また、災害時には電気がガスより復旧が早い傾向にある点も、近年注目されています。
〈関連ページ〉「オール電化は時代遅れ」なのか|メリット・デメリットと後悔しないためのポイント、今後について
まとめ
本記事では、オール電化住宅に太陽光発電を設置しない場合のメリット・デメリットや気になる電気代などについて解説しました。
「太陽光発電なし」という選択は、初期費用を抑え、家の性能やデザインといった住まいの本質的な価値にお金をかけられる、合理的な選択肢の一つです。
鬼丸ハウスでは、お客様一人ひとりのご希望をじっくりお伺いし、太陽光発電を設置する場合・しない場合の両方でシミュレーションを行いながら、ご家族にとって本当に納得できる家づくりをサポートします。
ぜひお気軽にご相談ください。
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